三余亭

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zoom RSS 【体の贈り物   レベッカ・ブラウン著 柴田元幸訳  新潮文庫】

<<   作成日時 : 2005/04/23 18:17   >>

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AIDS患者の身の回りのことを行うヘルパーが主人公の小説。連作小説で、いくつかの物語に分かれていますが、最初から順に時間は流れていきます。

今はAIDSに対する治療法が進歩し、途上国にとっては高価な薬剤を使用すれば発症を食い止めることができるようですが、この小説の舞台はそんなことができるようになる前の時代です。徐々に体が弱っていく過程での患者の肉体的・精神的苦しみ、周囲の人間のそれを見ている苦しさや、別れが迫っていることの悲しさ、実際の別れの悲しみが書かれています。

登場人物の細かな動作の記述の積み重ねを行って感情表現がされています。そんなところを読むと、形容詞や副詞で修飾された感情表現の言葉を読むよりも登場人物が感じたであろう感情が直接胸に響いてきます。悼みの贈り物での、登場人物が死ぬのを見送るところなど、その場に居たかのような感情が湧いてきました。このような表現でしか伝えられないものがあり、それを伝えるために小説や物語があるのだと改めて実感します。親しい人が死んだ、親しい人が死ぬのがわかった、物を無くした、夕日が沈んだなどを、一言で簡単に”悲しみ”とすませてしまうと、悲しみの程度だけじゃなく感情自体も少し違うし、悲しみに混じるほかの要素も違うのにまとめちゃって良いのだろうかと違和感を感じます。そんな違いを持った感情を表現し伝えることのできる小説だと思います。

気に入ったストーリーは、ある登場人物が死んで出て行くばかりだったホスピスから、自力で歩いて生きて出て行くというもの。どん底の状況にいながら痛快な仕業をなしとげ、気分爽快です。

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