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zoom RSS 【生物学を学ぶ人のための統計のはなし 〜君にも出せる有意差〜 粕谷英一著 文一総合出版】

<<   作成日時 : 2005/07/07 13:38   >>

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生物学教室を舞台に、複数の登場人物による会話形式で主に検定について解説されている本です。会話形式での進め方や書名など、形式上は初心者向けの印象ですが、内容はなかなかのものです。

第1章から母中央値の推定とMann-WhitnyのU検定が解説されます。t検定の解説よりノンパラメトリックが優先です。正規分布が前提とできないような対象が多い(と私は理解しております)生物学での統計の本ならではの構成です。

他の章で解説される統計手法は、第2章でt検定、第3章で符号検定とWilcoxonの符号化順位和検定、第4章でFisherの正確確率検定や2項検定、第5章で分散分析(あまり深い解説ではないようです)、第6章で最尤法と尤度比検定、第7章で回帰分析、第8章で無作為化検定とMantelの検定、第9章では多重比較・多重検定、です。

いずれの解説でも、統計の使用者が原理を理解してから使用できるように、配慮がなされていると思います。特にノンパラメトリック検定の解説ではわざわざ並べ替えを全部羅列しており、初めてノンパラメトリック検定を学ぶ人にその原理をわかりやすく紹介していると思います。また、パソコンでの統計解析が一般となった状況に合わせて、カイ2乗検定は近似だからそれよりもFisherの正確確率検定や2項検定を使えと述べられており、使える統計を解説しようという著者の意気込みが感じられます。

考えて統計を使うということにも重点をおいていると思われます。分散分析の章ではモデル式を書いた方がいいなど、あまり考えずに統計ソフトで結果を出している身には耳の痛い話もあります。

書名に「生物学を学ぶ人のための」とあるように、主に生物学分野での統計手法の解説が主のようですが、ノンパラメトリック検定の入門書ととらえても良いのではないでしょうか(解説されているのはノンパラメトリック検定だけではないのですが)。

付録の「君にもできるごまかし」も、やってはいけないことを知る意味で大変有用です。

統計、特にノンパラメトリック検定でつまづいた方にお薦め。(会話形式で解説されることが苦手な人がいるかもしれないので、そうではない人に。)

webで統計を勉強したい方は、右のリンク集からたどってみてください。

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統計の話 検定かモデル選択か
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