三余亭

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zoom RSS 【図解・わかる相対性理論 池田和義著 講談社ブルーバックス】

<<   作成日時 : 2005/12/30 12:11   >>

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特殊相対性理論を図解で理解させようという意欲作です。著者は物理学者で詩人というちょっと変わった経歴の持ち主です。その著者によれば、「数式を全く使わず、図解によって正確かつ完全に万人にわかる理論として特殊相対性理論を再構築することを主目的にしています。(はしがき B)」ということです。そして「この種の書物は我が国はもちろん、諸外国にも例がなく、画期的なもの(はしがき A)」だそうです。大変な志と試みです。

本書では、鉄道のダイヤグラムに似た時刻位置図と、「相対論三角形」というものが出てきます。「相対論三角形」とは、斜辺の長さが光速に等しい直角三角形です。この三角形と時刻位置図を駆使し、走るものは縮む(第2章)、走る時計は遅れる(第3章)、速さの合成は足し算ではない(第4章)、時間的順序の逆転と因果関係(第6章)、走るものは重くなる(第7章)ということが解説されていきます。

第1章の同時性の崩れの解説は見事。図を見ただけで一目でわかります。納得できます。これは素晴らしい。これだけでも読む価値ありと思ってしまいます。

第2章以降は、話が、というか、作図や理屈がややこしくなってきて、一目で納得とはいきません。例えば、第2章の図でなかなか理解できなかったのは、乙から見た時刻位置図で、光が出発する位置が運動長にしても静止長にしても甲物体のちょうど真ん中の位置からになるということで、これが理解できるまで苦労しました。第4章の速さの合成では、運動長の縮みと同時性の崩れ、それに時計の遅れも加わり、もう大変。理屈がややこしくなってきます。それ以外の章も、理屈を追いかけながら読むと、なかなか時間がかかります。ぱっと読んですっとわかるというものではありませんでした。ですが、粘り強く読めば、著者の言っていることがわかってきます。

著者が物理学者で、先に述べたような志のもとにこの本を書かれていることを考えますと、数式抜きですが解説には妥協はないのでしょう。論理を追って納得することが必要なのは、数式で書かれた教科書を読む際と同じではないでしょうか。

著者の、広く人々に相対性理論を理解させたいという情熱が読み取れる一冊です。時間と意欲のある方に。

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三余亭
2005/12/31 11:37

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