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zoom RSS 【一度死んでみますか?  漫談・メメントモリ 島田雅彦・しりあがり寿著 PHP新書】

<<   作成日時 : 2006/01/26 00:59   >>

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島田雅彦さんの小説は好きで、といっても文庫になってから読む程度なんですが、「僕は模造人間」とか、「天国が降ってくる」とか、「自由死刑」とか、その他いろいろ読みました。今は法政大学国際文化学部の教授もされているんですね。しりあがり寿さんの漫画は読んだことが無いのですが、「真夜中の弥次さん喜多さん」は映画になったんじゃないかと記憶しています(違っていたらごめんなさい)。そんな2人の対談です。2006年1月30日第1版第1刷ですから、出たばかりの新書です。雑誌にでていたものをまとめたもののようです。

まずは死についての対談から始まります。その後は、お金についてとか、子育てについてとか、、ナショナリズムとか、いろいろな話題について対談されています。死についての第1章よりもそれ以降の章が面白いし、第2章以降は死については触れていないので、書名はいかがなものかと思いました。別の書名にした方が、内容をよく反映したんじゃないかなと思います。

いくつか、気になった言葉を引用して私の個人的感想も加えますと、

島田 「あの世」というのは、(中略)死に対する漠然たる不安を抱えてらっしゃる方が、安心材料のような形で捏造しているものなんじゃないでしょうか。(p59)


それに加えて「この世」の大量の不幸な人が暴れださないために作られたものという捉え方もできるのではないでしょうか。

しりあがり 自分の死が怖いから死ぬのを軽くしよう、死というものを気楽に考えようっていうことと、だけど人の死は重いよっていうことの間で、なかなかうまくバランスが取れないところがありますね。(p61-62)


そうですね。でも自分の死の恐怖を軽くするよりも、その恐怖を引き受けて、克服は無理だろうから折り合いをつけて(というか先延ばしして)、自分の親や友人が亡くなるたびに覚悟を決めていくしかないかなと思います。そうじゃないと、他人の死がどうしても軽くなっちゃいそうな気がします。

しりあがり お金って、本当はいくらか以上はいらないと思うんですよ。
島田 そうでしょ。
しりあがり それが具体的にいくらなのかちょっとわからないけども。(p90)


本当にそうですね。贅沢になれちゃうとそれが普通になっちゃうから、必要最低限の金額がどんどん増えちゃいますしね。

島田 私の教え子などを見ていると、けっこう贅沢なこといってるんですよ。内定が決まっているのに、実際にやる仕事を通達されたら、自分に合わないから行かないとかね。彼らはそれなりに贅沢な自己実現欲求というのをもっているので、やむなくニートになってるわけですね。(p156)


贅沢な自己実現欲求と、【下流社会 新たな階層集団の出現 三浦展著 光文社新書】で問題になった高い自己能力感と通じるものがありそうですね。

しりあがり ニートとか引きこもりって、やればやるだけ損てゆーか、そのまま続けていてもたまっていくものが無いわけですから。どうなんだろう。
島田 ニートやフリーターの状態では技術が身につかないと。
しりあがり ある種の技術は身につくかもしれないけど。
島田 下働きをやらされてるだけだからね。(中略)日本人がフリーターとかニートをやっている間に、結局そういう職人技みたいな、手先の熟練を必要とする仕事が、中国人とか、東南アジアの人たちに移っちゃてるんですよ。(p167)


具体的な資料や調査に基づいていないので、フリーターやニートが増えて労働者がいないから熟練の必要な作業が海外に移っているのか、賃金が安いから移っているのか、判断できません。起きている事態はフリーター・ニートが増えた時に仕事が海外に移ったというところまでは納得できますが、フリーター・ニートの増加が仕事が海外に移ったことの原因かどうかについては絡み合う複雑な事情・状況を考えないと判断できないと思います。


全体として、対談なので話題の掘り下げ・深みの点で不満がありますが、お二人の話に共感したり、反論したりしながら、楽に読めると思います。軽すぎて物足りない気もしますが・・・・。

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