三余亭

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zoom RSS 富山・射水市民病院の呼吸器外しでの大前提と「集中治療医、9割が延命控えた経験」

<<   作成日時 : 2006/04/29 03:05   >>

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富山・射水市民病院の呼吸器外しでいろいろ書きましたが、確認し忘れていた大事なことがありました。私の今までの経験に引っ張られて、呼吸器を外された全ての患者さんの意識は無く、意思確認が出来ないと考えてました。もし違っていたら、今まで書いてきたことで、変更しなくてはいけないことがあります。患者さんの意識がある(または、意識をなくす薬をやめれば意識が回復する)状態なら、家族の意思より患者さんの意思が優先されるべきです。確認しないでいろいろ書いて、気がついて恥ずかしくなりました。でも、このことは報道されていたでしょうか?(されていたら本当にすみません。)

さて、話が変わりますが、読売新聞に以下のような記事がありました。
集中治療医、9割が延命控えた経験
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20060425ik06.htm
学会調査末期医療の一端明るみに

 集中治療室(ICU)の医師の90%が、過去1年間に、回復の見込みがない患者の延命措置について、中止も含め積極的に行わなかった経験のあることが、日本集中治療医学会の内部調査で明らかになった。
(中略)
 アンケートは2月に実施。対象は、大規模な医療機関でICU責任者などを務め、学会認定医の研修に携わる指導的な医師75人。うち60人から回答を得た。

 「延命措置を控えたことがある」と答えた医師は54人。内容を尋ねると、血圧が急に低下しても昇圧剤を使わないといった「現状維持」が39%。投薬量などを減らす「減量治療」が28%、「すべて中止」は4%だった。

 措置を控えるのは「家族の希望」(45%)よりも、「医師の治療上の判断」(55%)に基づく例が多く、最終的には「担当医グループ」(45%)や、相談を受けた「病棟医長や所属長」(28%)など、責任者の判断や医療グループ内での合議で決める場合が大半。しかし、少数ながら単独で判断していた医師もいた。
(以下略)
(2006年4月25日 読売新聞)

読売新聞は以前PET検診の内部調査という報道が間違っているとがんセンターから指摘された経緯があり(現在読めませんが、http://www.kousei-sendai.jp/article-yomiuri_info.htmlに簡略にありました)、この内部調査の報道も信じていいものかどうか、一瞬判断に苦しみまたが、集中治療医学会のホームページにはまだ何も書かれていないので、正しいのでしょう。

私は癌が専門ですので、救急医療は全くコメントできません。癌の終末期医療と救急での終末期医療は全然別物ではないかと想像します。ただ、控えた延命治療の内容のパーセントを足すと71%にしかならず、残り29%はどんな治療をやめたのだろうと気になります。報道するなら、きちんと残りの29%についても言及して欲しかったです。

また、医師の治療上の判断に基づき措置を控えた55%という数字ですが、「治療上の判断」とだけ言われると医師が独断で決めたような印象ですが、昇圧剤を目一杯使ってこれ以上使っても血圧はあがらないと判断して措置をしなかったのか、まだ増量する余地があったがやめたのか、同じ昇圧剤を使用しなかったとしてもこの2つは意味が違うんじゃないかなと思います。治療してきた流れというのでしょうか、言葉は適切ではないかもしれませんが文脈というんでしょうか、そこから切り離しても意味は無いんじゃない?と思います。

呼吸器外しで終末期医療に注目が集まっています。終末期医療をいきなり受けることは例外的だと思います。医療を受けてきた結果の終末期、としてどのようなものが望ましいのか。終末期だけを切り取り検討するのではなく、病との闘いの結果の終末医療という流れ・文脈を通じて考えることが必要だと思っています。

【追加】
朝日新聞での記事にはもう少し詳しくありました。
ICU延命治療「控えた」9割 回復見込めない患者に
http://www.asahi.com/life/update/0429/006.html
2006年04月29日21時08分
(略)
 同学会は来年3月までに終末期医療のあり方について指針を作る方針で、今年2月にこの調査をした。手控えた内容は、血圧が急低下しても昇圧剤を使わないなどの「現状維持」が39%、薬などの量を減らす「減量治療」が28%、治療の一部をやめる「部分的中止」が27%、「すべて中止」が4%だった。
(以下略)

足して100%になりませんが、それは細かい誤差なのでしょう。「部分的中止」の内容が詳しく知りたいところです。呼吸器を外した例はあるのか無いのか・・・。

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