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zoom RSS 道立羽幌病院での呼吸器外しは不起訴のようで、射水市民病院の呼吸器外しはどうなる?

<<   作成日時 : 2006/06/05 00:15   >>

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射水市民病院での呼吸器外しが最近問題になりましたが、道立羽幌病院でも呼吸器外しがあり、医師が書類送検されていました。毎日新聞の記事によれば不起訴になるようです。
人工呼吸器外し:死亡との関係薄く、医師不起訴か 北海道
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060604k0000m040131000c.html

 北海道羽幌町の道立羽幌病院で04年2月、男性患者(当時90歳)が人工呼吸器を外されて死亡した事件で、旭川地検は、殺人容疑で書類送検された担当の女性医師(34)を起訴するのは困難との見方を強めている模様だ。複数の医師が「死亡と呼吸器外しとの因果関係は薄い」との鑑定結果を提出しており、不起訴となる公算が大きい。今年3月には富山・射水市民病院で患者7人が人工呼吸器を外されて死亡した問題が明らかになり、詰めの捜査に入った同地検の判断が注目される。

 ◆経緯

 男性患者は04年2月14日、食事をのどに詰まらせて心肺停止状態で羽幌病院に搬送された。女性医師は男性患者の蘇生措置を取った後、脳死判定をせずに「脳死状態」と家族に伝えた。男性患者は翌日に人工呼吸器を外され、約15分後に蘇生後脳症で死亡した。

 道警の調べに対し、女性医師は「治療を続けても回復は難しかった。家族の負担も考え、同意を得て呼吸器を外した」と供述した。道警は05年5月に女性医師を殺人容疑で書類送検。延命治療の中止(消極的安楽死)を巡って、医師が殺人容疑で立件された全国初のケースだった。

 ◆因果関係

 関係者によると、鑑定依頼を受けた道内外の複数の医師が男性患者のカルテや司法解剖の結果を詳細に検討。医師らは、呼吸器を外す前から男性患者の血圧低下が著しかったことなどから「呼吸器を外さなくても間もなく死亡した」と結論付けた。同地検はこの鑑定結果を重視している模様だ。

 殺人罪の構成要件には、(1)故意の行為(2)被害者の死亡(3)行為と死亡との因果関係−−がある。鑑定結果に基づくと、呼吸器外しで男性患者の死亡時刻がわずかに早まったとしても、呼吸器外しと死亡との因果関係を証明するのは難しい。

 ◆阻却事由

 同地検は女性医師の行為の違法性阻却事由(違法性を否定する理由)についても綿密に検討している。たとえ女性医師の呼吸器外しが殺人罪の構成要件を満たしても、違法性阻却事由があれば罰せられず、不起訴となる。

 判断のベースとみられるのは、延命治療の中止が許容される3要件を初めて示した東海大医学部付属病院「安楽死」事件の横浜地裁判決(95年確定)だ。3要件は「患者は死が不可避な末期状態」「患者の意思表示がある」などの内容。ただ、下級審判例で法的拘束力はない。
(以下略)
毎日新聞 2006年6月4日 2時09分


東海大での安楽死事件の裁判の判例が下級審判例なので法的拘束力が無いというのは知りませんでした。今まで射水市民病院での呼吸器外しの件でも、その判決の要旨として新聞に載ったものの切抜きを読んで判断してきましたが、議論の根拠が弱くなった気分です。

「呼吸器外しで男性患者の死亡時刻がわずかに早まったとしても、呼吸器外しと死亡との因果関係を証明するのは難しい」とのことですが、死亡時刻がどのくらい早まったなら因果関係になるのでしょうか。1時間?1日?1週間?1月?疾患によって、変わってくるのでしょう。

例えば、救急患者で急性期を乗り切れば何とか大丈夫という状態なら、呼吸器を外すことは死亡との因果関係が認められるだろうと思います。(ここが急性心筋梗塞など救急疾患もあつかう循環器の治療と、癌の治療との違いだと思います。前にも書きましたが、院長が循環器内科ですから、癌について適切な判断ができるか問題があると思います。)しかし、いろいろな臓器に転移した末期癌で、有効な化学療法も無い、あるいは行ったが効かなかった場合には、死亡は癌によるもので、呼吸器を外しても外さなくても死亡は避けられない状態だったと思いますこの状態で呼吸器外しと死亡の因果関係を認めるなら、末期癌で呼吸器をつけない医師は治療義務違反が問われてしまいます。大部分のホスピスの医師が呼吸器はつけないと思うのですが。

前にも書きましたが、末期癌では普通は呼吸器はつけませんから、その普通の状態に戻したということで医療行為の一連の流れと考えていただき、罪にして欲しくないなというのが理屈ぬきの心情です。癌で死んだのであって、呼吸器を外したことによる死亡ではない、というのが医師および呼吸器外しに同意した家族の感覚ではないでしょうか。

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