三余亭

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zoom RSS 【がんの補完代替医療ガイドブック 厚生労働省研究班】

<<   作成日時 : 2006/07/07 02:12   >>

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毎日新聞の記事によりますと、「がんの補完代替医療ガイドブック」を厚生労働省研究班が作成したとのことです。ダウンロードして読んでみました。税金によるものだと思いますが、意外に良くできていました。

がん:代替医療ガイド本、作成−−厚労省研究班

 ◇健康補助食品、効果検証報告乏しく

 がんへの効果をうたう健康補助食品や民間療法を利用する際の注意点などをまとめた「がんの補完代替医療ガイドブック」を厚生労働省研究班(主任研究者、住吉義光・四国がんセンター病棟部長)が作成した。

 アガリクスなど利用頻度の高い健康補助食品について、効果を証明する報告はほとんどないとするなど、科学的な検証に乏しい現状も紹介した。研究班は「補完代替医療の利用は自己責任になる。客観的な情報として、ガイドブックを活用してほしい」と話している。

 補完代替医療は、現段階では通常医療とみなされない施術や療法のことで、保険が利かず費用が高額になることも多い。
(中略)
 四国がんセンター(〒791−0288 松山市南梅本町甲160)のホームページ(http: //ky.ws5.arena.ne.jp/NSCC_HP/top_page)などからダウンロードできる。郵送の場合は、200円切手を張り、送り先を明記した返信用封筒(A4判が入るもの)を同封の上、同ガイドブック希望と書いて同センター泌尿器科に送る。冊子自体は無料。【大場あい】

毎日新聞 2006年7月4日 東京朝刊


他にもダウンロードできるところは色々あるようで、少しだけ素敵な妄想さんで紹介されています。

代替療法については、「患者は何でも知っている」で呪術と同列の扱いをされていると感じました。このガイドブックではそこまでひどくはありませんが、きちんとした医療機関が提供している医療とは異なり、根拠に乏しいことが書かれていました。

商売の邪魔になったと訴えられて、ややこしいことに巻き込まれないためなのでしょう、ガイドブックには、
「専門雑誌に発表された論文」や「各国の研究機関の見解」などの内容を整理して、考えるための方法を提供するものです。ですから、決して個人の責任で実施するさまざまな療法を制限するものではなく、また、特定の療法を勧めるものでもありません。
と、最初に書かれています。

代替療法に興味をもたれた方に、どのような情報をもとに判断すべきか、丁寧に書かれています。例えば、主治医やセラピストに色々質問したあとで、最後に検討することですが、
最後に、あなた自身に問いかけてみましょう。
この補完代替医療は、自分に合っていると思えるか。
   ( この補完代替医療は心地よいものか。
    この補完代替医療の施行時間は長すぎないか。
    この補完代替医療を行うのに通院距離は遠くないか。
    この補完代替医療を行うのに予約は簡単にとれるか。)
セラピストやオフィスに不快な気分を感じなかったか。
セラピストは、標準的ながんの治療法をサポートしてくれるか。


一番大切なのは、標準的ながんの治療法をサポートしてくれるかどうかということでしょう。時々噂に、抗癌剤はどうだからやめろとか、放射線はどうだからやめろとか、そんなことを言う方々がいらっしゃるようなことを聞きます。でも、そういう方々の場合、根拠に乏しいことが多いです。

臨床医学における科学的検証は資料編5に書かれています。一般向けにわかりやすく書かれていると思います。是非、お読みいただきたいと思います。その中では、ランダム化比較試験が一番結果の信頼性が高いと紹介されています。ちょっと注意が必要だと思ったのは、最近のランダム化比較試験では、プラセボを使うのは標準治療が無い場合で、たいていはプラセボではなく標準治療を対照として新薬・新治療の有効性を見ることが多いです。ランダム化比較試験にご協力いただいても、プラセボで治療を全く受けられないということは、あまり無いのではないかと思いますが、実際には担当医に聞いていただいて確認が必要な事項です。

科学的検証として信頼性が低いのは、経験談、権威者の意見、実験室の研究です。ここを強調したいと思います。経験談を紹介して、この治療で治ったなどと広告しているものは、本当は標準治療をきちんと受けて治っている可能性があります。権威者の意見も、何らかの臨床試験に基づいていなくては、信頼性は低いとみなして構いません。それがたとえ著名な科学者や医学者であってもです。実験室の研究もそうです。一系統のネズミを雑多な人間と同じと考え、その結果を標準治療とするのは、治療法の検証という意味では信頼度は低いです(新たな治療法開発のきっかけとして、あるいは、作用メカニズムの解明や、癌の発生の機構の解明などの意味合いは非常にありますが、人間に対する治療法の検証ではありません)。

あくまで個人的な代替療法に関する印象を書かせてもらうならば、”高いが無効な治療”です。私自身や親類が癌になった場合にどうするかですが、”絶対にそのようなものにお金は使いません。なにかおいしいものを飲んだり食べたりする・させるためにお金を使います。”

きちんとした臨床試験に基づいて代替療法の効果が認められれば態度を変えたいと思いますが、現時点では上述のような態度をとりたいと思います。

わらをもつかむ思いで、そのような療法にすがりつく方がいらっしゃることは重々承知です。何も有効な治療法はありませんと言われたときのショックがある時に、これが効くと言われれば、それに飛びついてしまうのは仕方のないことでしょう。ある程度の気休めのために必要なことかもしれません。

しかしながら、効くか効かないかわからないものを購入するのも悲しいものがあります。代替療法を考えられる方は、是非、ガイドブックをご一読されると良いと思います。

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【がんの補完代替医療ガイドブック 厚生労働省研究班】にTBかと思ったら
【がんの補完代替医療ガイドブック 厚生労働省研究班】を夜中に書いたら、同日午前9時に広い大地へ健康的な生活へというブログのフェセオラミンの記事からTBが来ました。 ...続きを見る
三余亭
2006/07/07 13:50
食道がんの生存率
悪性度が高いといわれる食道がんでも、いわゆる早期のがんの治療成績は良好です。0期のがんでは内視鏡的粘膜切除術で切除された後の5年生存率は100%です。がんが粘膜下層まで拡がってもリンパ節転移をおこしてければ、手術で80%が治ります。日本食道疾患研究会の「全国食道がん登録調査報告」では、手術でとりきれた場合の5年生存率は、54%に達しました。国立がんセンター中央病院で1996年~2000年に手術を受けた方の5年生存率は、TNM分類による進行度I期:70.1%、進行度IIA期:4... ...続きを見る
がん情報研究所 癌(がん)は治る病気です...
2006/12/11 15:01
がんの補完代替医療ガイドブック第2版が出た
他の方のブログにコメントをつけていたら自分のブログを更新する暇がなくなって、本末転倒。 ...続きを見る
三余亭
2009/01/17 03:05
補完代替医療の臨床試験について考えた
厚生労働省が場合によっては補完代替医療の臨床試験に研究費を出すようです。 毎日新聞です。補完代替医療:厚労省が検証 臨床試験検討も ...続きを見る
三余亭
2010/09/22 23:58

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
いつぞやリンクをしていただいたものです。このような場でお話すべき事項か随分と迷いました。責任あるお立場から軽率なことは言えぬと場違いだとのお叱りは覚悟した上でのことです。
わたくしの親族が骨の悪性腫瘍で入院しております。病巣は肺。検査と入院を繰り返して二ヶ月。
上記の説明は受けた。しかし具体的な治療方針等については訊いてない。こちらから訊くとようやく時間をとってくだすってステージ4で。TS1を投与するとのこと。もっと早くに説明してほしかった。余命長くて一年。本人不在で。
病院に代替医療のポスターが貼ってあったので、その件について訊ねると、態度が豹変し言葉少なくなる。
ならばポスターを貼るなよという思う。本人は少しばかり鎮痛剤の副作用か判断力が鈍っているように見えます。
医師に不信感を持ってしまっても、セカンドオピニオンを取る時間や体力が残されておりません。
あくまで他人の人生なので介入するつもりはないのですが自分だったらどうするだろうと自問してしまう次第であります。
代替医療にあくまで選択肢として丸山ワクチンは除外されているのでしょうか。
不躾無礼はごめんなさい。
i
2006/08/08 22:44
i様。
個人的な意見としてお聞きください。ガイドブックに書かれているように、代替医療につきましては現在のところ科学的なやり方で有効性が証明されているといえるものは無く、使用される場合は自己責任となります。
一方、丸山ワクチンは、有効性を示すための治験が現在も行われており、患者さんが望めば治験に参加できます。科学的な方法で有効性を示す途上にある、と建前上はなっております。
しかし、標準的な治療を差し置いてまで行うべき治療かどうか、ということになりますと、多くの医師は異議を唱えると思います。多くの医師からは丸山ワクチンはそれらの治療以上の効果をもたらすものとは認識されていませんし、それらの治療の効果を増強させるかどうかも良くわからないと言うと思います(効かないという人も居るかもしれませんが)。
というわけで、丸山ワクチンは科学的な検証過程の途上ですが、有効性等の結論は出ていないと思います。有効性の結論が出ていない現状では、治験に参加されるかどうかは自己責任であり、その点では代替医療と同じ心構えが必要になるとは思います。
三余亭
2006/08/10 08:43

自分だったらどうするだろうと自問することは、私も時々あります。患者さんの人間としての振る舞いのすばらしさに、勉強させられることもしばしばです。

以上、お役に立てましたでしょうか。ずれた返事でしたら申し訳ありません。
三余亭
2006/08/10 08:44
三余亭さま。
ありがとうございます。ひとつだけ懸念があります。それは「丸山ワクチンという代替医療を考えるならばここでの医療はご遠慮下さい、よその医療機関に行ってください」というようなニュアンスに受け取れました。当該する本人は西洋医学は信用してますし、勿論標準的な現状の治療はやめるつもりはないのです。わたくしは賛否両方の複数のかたの話を聞くに当たって、丸山ワクチンの今日に至る経緯が奇妙な歴史なように思えてなりません。(ゼリアから同じようなものが出てる?)
代替が漢方でなくてへたに西洋医学なゆえに代替治療として医師側が認めない、方針が異なるので丸山を認める医療機関に行ってくださいになるようだと危惧いたしました。
i
2006/08/11 09:50
>代替が漢方でなくてへたに西洋医学なゆえに代替治療として医師側が認めない、方針が異なるので丸山を認める医療機関に行ってくださいになるようだと危惧いたしました。

ご指摘のとおりへたに西洋医学であり、奇妙な歴史ゆえに、大多数の医師の丸山ワクチンに対する立場は微妙なものとなります。経験の無い医師の場合、どう対応してよいかわからない、ということもあるかもしれません。
しかし、成分としては、私も使ったことのあるゼリアのアンサーと同じですから、そんなに副作用がでるとは思えないのです(腫瘍に対する効果も実感できませんが)。

患者さんに丸山ワクチンを薦めはしませんし、効果を尋ねられたら不明と答えますが、それでも使用したいということであれば、使用して頂いて問題ないと思います。頻繁に注射しなくてはならないので、遠方にお住まいの方の場合は近くの医療機関で行っていただくことになると思います。丸山ワクチンの有効性を証明しようと頑張っていらっしゃる方には失礼かもしれませんが、特殊な代替医療と考えて、患者さんが納得されていれば目くじらを立てる必要は無いと思っています。

三余亭
2006/08/11 13:26
丸山ワクチンの場合は現在の中途半端な治験薬の立場から、有効性が証明された治療か、有効性が証明されず消えていくのか、どちらか早く決めていただかないといけないですね。現在のままでは不愉快な思いをする方が次々と出現してしまいます。
三余亭
2006/08/11 13:26

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