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zoom RSS 延命の中止・差し控え

<<   作成日時 : 2006/08/01 19:31   >>

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読売新聞が延命治療中止について、アンケート調査を行ったようです。

延命の中止・差し控え…医師苦悩、重い裁量

「一人で判断」46%…本紙調査240病院回答

 回復の見込みのない末期患者に対し、56%の病院が延命措置の中止や差し控えを行っていたとの本紙調査で、終末期医療について明確な指針がないまま、最期を迎えようとしている患者の医療が医師の裁量にゆだねられている実態が浮かび上がった。

【適法性の認識】
(略)
 240病院が回答した本紙調査では、延命措置の中止・差し控えの是非を巡って、医師たちの意見は大きく割れ、医療現場の混乱ぶりがうかがえた。

 その要因は、延命措置の中止・差し控えの適法性に対する認識の違いにある。「法的に問題がある」「法的に問題はあるが、医療行為としては問題ない」がそれぞれ26%、「法的にも医療行為としても問題ない」20%と回答が分散。「患者によって異なり、問題があるとも、ないとも言えない」という答えも目立った。
(略)
【決定の透明性】
 延命措置を中止する条件などを定めた病院独自の指針を設けているのは、21病院(9%)にとどまり、明確な指針を持たないまま、医師の裁量で措置の中止や差し控えが行われている現状が浮かび上がった。

 人工呼吸器の取り外し問題が起きた富山県・射水市民病院は、主治医の外科部長がほぼ独りで取り外しを決めていたとして問題視している。今回の調査でも「医師が単独で決めた」との回答は46%に上った。

 2002〜04年に厚生労働省の終末期医療に関する検討会委員を務めた定山渓病院(札幌市)の中川翼院長は「延命措置を決定する過程の透明性を確保する体制整備が必要だ」と指摘する。
(略)
 甲斐克則・早稲田大教授(刑法・医事法)は「終末期の問題にも対応できるよう倫理委員会を整備し、積極的に活用すべきだ。一つの病院の倫理委が、地域の他の病院の審査を担当する方法もある」と話す。
【意思の確認】
 延命措置を巡っては、患者本人や家族の意思をどう反映するかが重要だ。1995年の東海大安楽死事件の判決は、延命措置を中止した医師の刑事責任が問われない条件の一つに、「患者の意思か、家族による患者の意思の推定がある」ことを挙げた。

 だが、今回の調査でも、患者の意思をくみ取ることの困難さがうかがえる。
(中略)
 救急患者が緊急治療で一命をとりとめたものの回復が見込めない場合、関東の公立病院副院長は「措置を中止するかどうかの決断を家族に求めるのは酷。家族との『あうん』の呼吸で決める」と語る。

 独自の指針を持つ病院の約4割は、患者の容体が安定している時に、本人や家族に文書で意向を確認する「事前指示書」などを採用していた。
(略)
【終末医療、72%「全国ルール必要」…厚労省、年内めどに指針】
 射水市民病院の問題を機に、厚生労働省は年内をめどに、終末期医療に関する指針を作る方針だ。患者や家族の同意の取り方や、倫理委員会など複数の関係者による承認といった、延命措置の中止・差し控えを決める上で必要な手続きを盛り込むことにしている。

 今回の調査で、72%の病院が、終末期医療について社会的合意を得たり、患者・家族に説明したりするため「全国的な統一ルールが必要」と主張したが、その枠組みは、個々の患者の事情などに応じて適切な措置がとれるよう、法制化より緩やかな「指針」を望む声が多かった。
(略)
(2006年7月31日 読売新聞)


ま、一言でまとめるなら、意見がいろいろと分かれている状況だ、ということでしょう。しかし、癌と救急と高齢者など、ひとくくりにして分析されているのは、本当は良くないことではないかと思います。前にも書きましたが、癌患者には癌患者の事情があり、心疾患には心疾患の事情があり、救急には救急の事情があるわけです。疾患の事情ごとによる分析が必要なのではないか、と思います。

「法的に問題はあるが、医療行為としては問題ない」ということが何を意味しているか、わかりませんでした。法的に問題があるならそれは医療行為として問題なんじゃないの?と思うのですが。法的に問題があって医療行為として問題ない行為とは、他に何があるのか、ちょっと思いつかないのです。法律の整備が遅れている、という意味なのでしょうか?

興味深かったのは、倫理委員会を活用せよという意見はあっても、延命治療中止が一律に倫理的に問題であるという意見はないように見受けられる点です。法的に問題とする考えも倫理的には問題ではないという認識なのでしょうか。もしそうなら、延命治療中止は医療関係者には倫理的に受け入れられているということなのでしょう。

個人的には法整備やガイドラインは役に立たないと思っています。これは前に書いたとおりです。どうしても何か必要ということであれば、ガイドラインで、それも患者の状況に応じて臨機応変に対応可能なものでなければならない、と思います。

以上、延命治療中止についての、個人的な意見でした。

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三余亭
2008/04/24 21:36

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