三余亭

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zoom RSS 医療過誤・医療事故を議論するときにはポイントを絞った方が良いと思う。

<<   作成日時 : 2006/10/30 20:53   >>

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以前、 【医療過誤・医療事故の予防と対策 病・医院の法的リスクマネジメント 森山満著 中央経済社】という本の感想を書いたことがあります。最近、いろいろとありましたので、自分の書いたものを読み直してみました。いろいろと改めて思うところがありました。

医療は専門知識が必要な職業ですが、医療事故・過誤の報道は専門知識の無い人間が記事を書くのですから、どうしても医師に疑いの目が向けられてしまいます。一般人にわからないと思って隠しているだろう、そういう受け取られ方なのかもしれません。「治療していたのに死んだ!」ということで、疾患や治療内容を理解して頂いていない御遺族が不満を持ち、報道もそれと同調するということもあるでしょう。最初の情報が患者さんのご家族からしか提供されなければ報道がそれに引っ張られてしまうのは、私は不満ですが、仕方の無いことかもしれないと諦めてもいます。しかし、いろいろと主張したいことを書けるようになっていますので、呼吸器外しの問題など、思うところを書いているわけです。何かの役に立つかもしれませんし。

【医療過誤・医療事故の予防と対策 病・医院の法的リスクマネジメント 森山満著 中央経済社】を読みますと、医療事故・過誤では医療機関側が、「医療水準からみて「悪しき結果」を予見(予想)できていたかどうか(p15)(予見可能性(p20))」「予見できたとしたら、その悪しき結果を回避するために、医療機関側は本来何をやるべきであったか。本来やるべきことをやったか。(p15)(回避可能性と回避義務の遵守(p21))」が問題となるとのことです。

医療水準とは、「知見が当該医療機関と類似の特性を備えた医療機関に相当程度普及しており、当該医療機関において右知見を有することを期待することが相当と認められる場合には、特段の事情が存しない限り、右知見は右医療機関にとっての医療水準であるというべきである。(p20-21)」ということでした。

以上を踏まえますと、医療事故・過誤で議論する場合は、
1.医療水準はどのレベルか(極端に簡単に言えば、同じようなことをやっている医師が知っているかどうか)
2.問題となった病態が予見可能であったかどうか
3.問題となった病態を回避できたかどうか
4.回避できたならそのような行為をしたかどうか
とポイントを絞るのがよさそうです。ある程度経験のある医師なら、2−4の議論を根拠を示しながら問題なくできるのではないでしょうか。そして一般の方も、この4点を注意して報道や医師の意見を考慮していただければ、医療機関に過失があったかどうかが、わかりやすいのではないでしょうか。

とはいっても、細かな問題があります。予見可能性の具体的な数字、つまり、何人に1人の頻度の病態まで予見していなくてはならないか、というものを、どのくらいに設定するか。1000人に1人?1万人に1人?個人的には前者にして欲しいなと思いますが。前者でも頻度は0.1%です。

説明義務については、弁護士の間石先生がCT造影剤の説明書について書かれていまして、それによりますと、
検査前投薬として鎮痙剤等の静脈注射を受けた患者が注射直後にアナフィラキシーショックを起こし死亡した事例において,投与前に薬剤の副作用に関しショック発症の危険があることまで説明すべき義務はなかったと判示した裁判例がある(静岡地裁沼津支部平成13年10月 3 日判決,最高裁ホームページの下級審主要判決情報)。この判決は,重大な結果発生の可能性が低い場合には,説明を省略することが許されるとし,「同薬剤によりショックが発症する確率はわずか0.1%とされていること」を理由の一つとして挙げて,「同薬剤の副作用に関し,ショックを発症する危険があることまで説明すべき注意義務があったと認めることはできない」と判示した。
 この判決も,ショック発症の確率が0.1%未満であれば説明しなくてもよいという一般論を述べたものではないから,ここから短絡的に具体的な基準を読み取ろうとすることは意味がないが,裁判所の考え方を示す一例として有用であろう。
と、1000人に1人の頻度より少ないものは省略可能なようです。といっても、
頻度が稀であるからこそ,死亡の結果について遺族として受け入れ難いという面もあるからである。
というわけで、説明できるものについては説明しておくのがよいようですが。そうすると、説明した以上は予見しておけということになりますね。

医療過誤?と思われる件の判例については
http://homepage3.nifty.com/medio/watching/hanrei/160326-2.htm
http://homepage3.nifty.com/medio/watching/hanrei/150627-2.htm
で見ることができました。どちらも被告に過失なしでした。裁判になってもやることをやっていれば心配ないようです。

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