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zoom RSS 生命倫理、そんなものは有りません を考える。

<<   作成日時 : 2006/12/26 19:36   >>

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「再開された臓器売買をめぐる論争」という論文移植臓器の売買は人身売買生命倫理、そんなものは有りませんと題するエントリーからTBが来ました。題名は生命倫理というものは無いという過激な主張ですが、内容は「臓器移植などしないで病気を治せ(ここでは治し方は具体的には書いてませんが、次に述べるようにおそらく自然食品なのだと思います)。」ということなのでしょう。

がん余命宣告というエントリーでは
体の材料は飲食物
材料が悪ければ、病気に成る

こんな簡単な事も理解できない、おバカさん
と書かれています。TBを送ってきたブログは「食べ物が原因でいろんな病気が起こる。臓器移植や西洋医学のがんの治療など受けず、食べ物で治せ。」という主張であると総合的に理解しました。

「生命倫理、そんなものは有りません」の内容について考えてみましょう。

手元に「生命と医療の倫理学 伊藤道哉著 丸善株式会社」があります。目次をみると、
第1章 患者の権利、医師の裁量
第2章 告知、インフォームドコンセント
第3章 医療情報開示、個人情報保護
第4章 臨床試験、GCP
第5章 遺伝子診断、遺伝子治療、遺伝カウンセリング
第6章 クローン技術、幹細胞研究、再生医療
第7章 脳死、臓器移植
第8章 終末期医療、緩和ケア、QOL
第9章 安楽死、尊厳死、自殺幇助
となっています。

見てのとおり、生命倫理学で扱う分野は臓器移植や臓器売買に限ったものではありません。病気が無くなれば不要な分野が多いかもしれませんので、食べ物で病気が治るから生命倫理はいらないのだ、と主張されるかもしれませんが、ケガは食べ物とは無関係に起こります。例えばやけどや交通事故での脊髄損傷、等々。脊髄損傷は食べ物では治りませんよね。だって食べ物が原因ではないですから。ですから脊髄損傷の再生医療は必要な医療であり、そしてそれに伴う倫理問題を扱うために生命倫理は必要です。「生命倫理、そんなものは有りません」という主張は、食べ物が病気の原因であり、食べ物しか原因ではないという主張を受け入れても、じゃケガはどうするんだという批判には答えられないと思いますから、明らかに行き過ぎです。

とはいっても、そんなことを言いたいわけではないのでしょう。「臓器移植などしないで食べ物で治せ」ということを主張したいのでしょう。

確かに、近年は人工透析導入者に占める糖尿病患者の割合が増えているということですから、糖尿病の治療・管理をしっかり行うことで、腎不全の状態に至り、腎移植を待つという方を減らすことはできるかもしれません。糖尿病にもいろいろありますが、U型糖尿病は、食べ物・運動の影響が大きいかもしれません。その意味では、食べ物は重要です。

しかし、全ての透析患者が食べ物で治るわけではありません。本当に透析が必要な方が透析をせずに、自然食品を食べつづけてどうなるか?死ぬでしょう。腎臓移植が悪いかどうか、体験談が公開されていましたので、読んでご判断頂ければと思います。

糖尿病だってT型ならインスリンが必要です。打たないとどうなるか。ここにあるとおり。自然食品でT型糖尿病が治るのでしょうか?無理でしょう。

というわけで、食べ物だけでは治せない病気の患者を生き続けさせるインスリンに代表される西洋医学は、自然食品よりも重要だと私は思います。

とはいっても、食べ物が病気の一因である、というか、ある種の食べ物の摂り過ぎはある疾患のリスク・ファクターであるというのは西洋医学でも主張されています。最近では、トランス脂肪酸がマスコミでもとりあげられたと思います。

どんなものがいいのか、マスコミでは情報が氾濫していますし、研究の進歩でも変わってきますが、とりあえずはこの辺がいいのではないかと思います。

食べ物は確かに大事ですが、医学を無視するのは疑問です。

真面目に考えるのもどうかと思われましたが、TB削除だけですませるのもどうかと思い、真面目に反論してみた次第です。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
 TBありがとうございました
私の主張は、「倫理が分る人には、倫理は不要」「倫理が必要な人には、倫理が分らない」と言う自己矛盾です。だから、倫理なる概念自体が存在し得ないと言う事です
 直ぐ前の記事「倫理なるものは存在しない」にも書いて有ります
 「倫理」を「教育」「宗教」などの「精神論」に言い換えても全く同じだと思って居ます
 私は沢山の精神世界の本を読みましたが、「精神」「心」「意志」「気持」等々は独立した存在では無く、あくまでも、人体のプログラム=DNA・遺伝子から派生した「結果」に過ぎないと思って居ます。「原因」では無いと言う事です
 「原因」は、あくまでも「物質」「モノ」で有る肉体・細胞・核・染色体・DNA・遺伝子=プログラムに有ると考えて居ます
 ですから、化学肥料・農薬・食品添加物などの不自然な人工の合成化学物質に細胞が狂わされて成った病気は、自然に戻せば直ると考えて居ます
 勿論、それ以外の原因に医術を否定するものでは有りません
 健康に関して、私より長生きして居る健康な人の言う事は全面的に信用します


自然食で超健康な、直ぐ72歳に成るおじい...
2006/12/26 21:37
コメントありがとうございました。
倫理という言葉ですが、人として守るべき道、道徳という意味と、倫理学の意味とがあると思います。お使いになられた倫理は前者の意味かと存じます。それなら「倫理が分る人には、倫理は不要」「倫理が必要な人には、倫理が分らない」という意見もわかります。
しかし、生命倫理とは前者の意味では捉えられない部分が多いのです。今までの常識が通用しないことが非常に多いのです。例えば、再生医療のために中絶胎児の細胞を利用して良いかどうか、そもそも中絶を認めるかどうか、終末期に人工呼吸器をつけるべきか外すべきか、等々。医学が進歩し、それにより利益を受ける方がいらっしゃる一方で、周囲に対する影響を考えると今までの道徳だけでは対応できない場面が増えています。
そのような問題を考えるのが生命倫理(学)であると考えています。一般的に通用する道徳というものは存在しない場面での倫理を考えることだ、と考えていますので記事のように書きました。
倫理についての考えの違いは、倫理という言葉の持つ意味の捉え方の違いによるところが大きいようですね。
三余亭
2006/12/27 00:44
さて、細胞が狂わされて成った病気というコメントについてですが、食事は健康に重要なものであることを認めるのはやぶさかではありません。カロリー制限だけが哺乳類で示された長寿の方法のはずです。しかし、食事だけで万病が治るという風に考えられているとしたら、医師としてそれは認めるわけには行きません。TBを削除しない代わりに(反対意見を削除して、自分の意見を言い散らかすブログにしようとは思っていません)、医師として食事だけで万病が治ると認めたと誤解されないように記事に致しました。
<a href="http://cuttlefish.at.webry.info/200607/article_3.html">前にフェセオラミンとかいう健康食品のブログからTBが届いて</a>、それにコメントしてTBも送ったんですけど削除されてしまいました。広告ブログだったのだと思っています。自然食で超健康な、直ぐ72歳に成るおじい...様は広告ブログではないのですね。てっきり広告ブログかと思っておりました。失礼致しました。
三余亭
2006/12/27 00:57

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