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zoom RSS 【科学的に説明する技術 その仮説は本当に正しいか 福澤一吉著 サイエンス・アイ新書】

<<   作成日時 : 2007/11/08 18:06   >>

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科学的成果ではなくその成果にいたるプロセスを知ることには、大きく3つの目的があります。第一の目的は何といっても、科学的な考え方の面白さを知ることです。(中略)第二の目的は、人間が世界をとらえようとするときに、私たちの思考はさまざまなことから自由ではないことを知ることです。(中略)第三の目的は、間接的目的ですが、科学的なものの考え方について知ることにより、振り返って、普段、私たちはどのようにして考えたり、意見を述べたりしているのかに気づくことです。(p4-5)
と前書きで書かれているように、科学はどのようにしてできあがるのかについて解説されている新書です。

以前取り上げた、【「科学的」って何だ!】より素晴らしい。科学というものを考えるにはこちらの方が断然良い、と思います。

科学的とは、1.観察したことを、2.論理的に、3.実証的に、4.説明する、(p60)こととします。観察の難しさ(理論負荷性)や、帰納的推論の問題、妥当な論証とはどういうものかという解説、相関関係と因果関係の違い、科学における説明のルールについて(本書では科学における説明を「事前に用意された複数の仮定を用いて、事象・現象を再構成すること」と定義しています)など、科学哲学で問題になることに一通り触れられています。仮説演繹法についても、ポパーの反証主義についても触れられています。

面白かったのが、第4章。科学理論ができあがるまでを、心理学実験を通して解説しています。「脳の中に書き込まれたものは、外界の視覚的特徴を記銘時から再生時まで変わらずもっている」という仮説の検証を行うのですが、ここが一番面白かったですね。どうやって実験により記憶がどのように保持されているのか検証するのか。どんな実験ならその仮説の検証ができるのか、素人は考えたって途方に暮れてしまいますが、さすがは心理学者です。うまい実験を計画しました。どんな実験かは本書を読んでみてください。

難点を言えば、前半の章では見開き2ページで同じことの繰り返しになったり(右ページで図解で解説されていたり)、ニセ科学との線引き問題へのふれ方が少し足りない気がしたり、とありますが、新書という条件では仕方のないところでしょう。

本書の後に、 【科学哲学の冒険 サイエンスの目的と方法をさぐる  戸田山和久著 NHKブックス】【疑似科学と科学の哲学  伊勢田哲治著  名古屋大学出版会】をおすすめ。

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【科学を語るとはどういうことか 科学者、哲学者にモノ申す 須田靖・伊勢田哲治著 河出ブックス】
本屋で見かけて面白そうだと立ち読みしたら一気に引き込まれてしまい、買ってしまいました。 ...続きを見る
三余亭
2013/06/15 00:25

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