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zoom RSS 医学研究における倫理の問題

<<   作成日時 : 2008/07/14 00:54   >>

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東京大学医科学研究所の教授が論文に倫理関係の虚偽記載を行ったそうです。朝日新聞からの引用です。
http://www.asahi.com/national/update/0710/TKY200807100371.html
「倫理委承認」「患者が同意」と偽り3論文 医科研教授

東京大学医科学研究所で白血病など難治性の血液疾患を研究している分子療法分野研究室=東條有伸教授(52)=が中心となって発表した論文で、研究倫理をめぐる虚偽記載が繰り返されていたことが朝日新聞の調べでわかった。実際には受けていない倫理審査委員会の承認や血液などの検体の使用の同意を得たと偽った論文が、少なくとも3本あることが判明。教授は取材に対し、自らも虚偽記載をしたと認め、論文1本をすでに撤回した。 (中略)
 03年7月に厚生労働省が定めた「臨床研究に関する倫理指針」は、研究機関の倫理審査委が事前に研究計画書を審査し、患者から文書で同意を得るよう求めている。(西川圭介、小倉直樹)


人を対象とした研究を行う場合、臨床研究に関する倫理指針疫学研究に関する倫理指針との2つだと思っていたのですが(少なくとも私に直接関係しそうなのはこの2つ)、他にもいろいろとあり、「ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針、ヒトゲノム遺伝子解析研究に関する指針、疫学研究に関する指針、臨床研究に関する指針、遺伝子治療臨床研究に関する指針、ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針の計6種類」ということを、08/01/16 厚生科学審議会科学技術部会第5回臨床研究の倫理指針に関する専門委員会議事録での読売新聞記者の増田氏の発言で知りました。

今回の研究がどの指針の対象になるのか?朝日を読むと、白血病の悪性度を急性骨髄性白血病の患者5人(少ない!)から89年から03年(長い!)に得た骨髄と末梢血を用いたとのことですから、遺伝子解析に関する指針か疫学研究に関する指針か、臨床研究に関する指針か。

遺伝子解析の指針第4章では研究実施前提供試料等の利用について、いろいろ条件が書かれています。
ただし、次に掲げる要件のいずれかを満たすとともに、倫理審査委員会の承認を受け、かつ、研究を行う機関の長により許可された場合についてはこの限りでない。(中略)
ア  連結不可能匿名化されていることにより、提供者等に危険や不利益が及ぶおそれがない場合
イ  連結可能匿名化されており、かつ、次に掲げる要件のすべてを満たしている場合
(ア) ヒトゲノム・遺伝子解析研究により提供者等に危険や不利益が及ぶおそれが極めて少ないこと。
(イ) その試料等を用いたヒトゲノム・遺伝子解析研究が公衆衛生の向上のために必要がある場合であること。
(ウ) 他の方法では事実上、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施が不可能であること。
(エ) ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施状況について情報の公開を図り、併せて提供者又は代諾者等に問い合わせ及び試料等の研究への利用を拒否する機会を保障するための措置が講じられていること。
(オ) 提供者又は代諾者等の同意を得ることが困難であること。
ウ  法令に基づく場合
同意なしでも研究できる方法があるようです。

疫学研究の指針でも、第3章 インフォームド・コンセント等に
ただし、疫学研究の方法及び内容、研究対象者の事情その他の理由により、これによることができない場合には、倫理審査委員会の承認を得て、研究機関の長の許可を受けたときに限り、必要な範囲で、研究対象者からインフォームド・コンセントを受ける手続を簡略化すること若しくは免除すること又は他の適切なインフォームド・コンセント等の方法を選択することができる。


臨床研究の指針では、第4インフォームドコンセント 3その他に、
試料等の提供時に、被験者又は代諾者から臨床研究に用いることについてのインフォームド・コンセントを受けていない試料等については、原則として、本指針において定める方法等に従って新たに被験者又は代諾者等からインフォームド・コンセントを受けない限り、臨床研究に用いてはならない(ただし、倫理審査委員会が承認した場合を除く。)。
とあるので、倫理委員会がOKすればよいように読めます。

朝日の記事では臨床研究の指針しか触れられていませんが、この研究が臨床研究の指針の下で行われるべき研究かどうか私には判断ができなかったのでいろいろ調べてみました。関係のありそうなどの指針でも何らかの条件を満たして倫理委員会が認めれば、なんとかできたようです。

倫理委員会がなかなか開かれなくて困る施設も多いようなんだけれど、医科研はどうだったのでしょうか。いずれにせよ、ひと仕事していれば何事も起きなかったのに、と思います。

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