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zoom RSS 福島県立大野病院の判決に対する法律家の意見を読む

<<   作成日時 : 2008/09/20 09:34   >>

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福島県立大野病院での帝王切開の刑事裁判の判決が出ましたが、それに対する法律家の発言を見つけましたので、感想などを。

甲斐克則氏の読売のサイトでの文章から。
日本の刑法211条1項の第T文「業務上過失致死傷罪」の規定には、「業務上」という文言があるため、ひとたび「業務上過失」の範疇に組み込まれると、高度の注意義務が必然的に課せられる傾向がある。しかし、この種の規定を置く国は近年ではきわめて少ないことが示すように、むしろ同第2文に「重大な過失」規定があることからしても、実質的には当該行為が「重大な過失」(重過失)であるか否かを中心に判断すべきものと思われる。そして、重過失と軽過失の区別基準は、初歩的な過失であるか否か、および具体的危険性を認識した無謀な過失であるか否か、がポイントになる。これが肯定されれば、当該過失行為について可罰的責任が肯定される。換言すれば、注意義務は客観的に一律に決まるものではなく、具体的な危険性(結果発生の予兆)の認識の有無が重要なポイントになり、それを前提に、当時の医療水準を参考にしつつ主観面をも考慮して結果の具体的予見可能性の有無(およびそれに基づく注意義務違反の有無の確定)を判断することになる。これによって責任非難の実体を解明すれば、刑事過失と民事過失との分水嶺は自ずと明確になっていくであろう。その際、「認識ある過失」と「認識なき過失」の区別を行い、後者は民事責任に解消すべきことを提唱したい。なお、チーム医療の場合には、「信頼の原則」の考慮の余地もある。要するに、「責任原理に基づく適正な過失犯処罰」が重要な鍵を握るのである。医療問題においても、刑法は、やはり「最後の手段」であるべきだと考える。


「信頼の原則」や「責任原理」が何を言っているのか門外漢にはさっぱりわかりません。法律用語なのかな。
そこがわからないので、最後の「刑法は、やはり「最後の手段」」というのも、結論は同意できても、ロジックがわからないので、いまひとつ「わかった」という感じを持てないのです。

とはいえ、過失については初歩的か・危険性の認識があったか、ということが重要なポイントという点であることはわかりました。また、刑事責任と民事責任について、医療水準と照らし合わせての「認識なき過失」(例えばイレッサ発売初期の適応外処方による死亡例とかはそうなるのかな?)は民事責任ということも、逆に「認識ある過失」(赤信号とわかって交差点に突っ込んではねたとか、術中に大量出血してるとわかっても止血せずに手術を進めたとか)は刑事責任というご意見にも同意できます。

本件では、症例のきわめて少ない胎盤癒着に伴う胎盤剥離をめぐる医療水準・注意義務を著しく逸脱したとは言えず、刑事責任を課すのは過酷である。当該医師が置かれた具体的状況を考えると、「法は不可能を強いるものではない」という格言が重みを持ってくる。


とも書かれていました。「法は不可能を強いるものではない」に関連して、新sの田中早苗氏の文章から、
大阪高裁は、03年10月24日、「担当医の具体的な専門科目によって注意義務の内容、程度が異なると解するのは相当ではなく、救急医療に求められる医療水準の注意義務を負うと解するべきである」とし、専門外の医師がほどこした救急医療に損害賠償義を命じている。

 確かに、救急病院を定める省令には救急医療の専門医が常時診療に従事していることが要件とされているが、実際、救急認定医は2000人程度(当時)。救急認定医がすべての救急患者を診療することは現実には不可能で、専門外の医師が当直医として救急医療に従事しているのが現実だった。

 しかし、この裁判以降、各地の救急医療施設が指定を次々に撤回している。07年3月20日付け読売によると、01年3月末に全国で5076施設あった救急告示医療施設が06年3月末までに約8.5%にあたる432施設減少し、4644施設になった、と報じている。

 昨年12月、大阪富田林市。救急要請した89歳の女性を30以上もの病院が受け入れることができず、翌日死亡する事件が起きた。救急車は、受け入れ先がなく、「動かぬ救急車」となり始めている(朝日放送「動かない救急車〜救急医療崩壊の現場」4月21日放送)。


不可能を強いた、ような気も。

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