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zoom RSS 中山成彬の発言に思う、政治家に必要な考え方の訓練

<<   作成日時 : 2008/09/27 06:53   >>

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中山国交相(2008年9月27日現在)が発言を撤回したのですが、その発言についてちょっと思うところを。

毎日の記事から
中山国交相:成田問題「ごね得」 日教組批判も
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080926k0000m010109000c.html

 中山成彬国土交通相は25日午後、国交省内で行った報道各社のインタビューの中で、成田空港の拡張が進まなかった原因について「(地元住民の)ごね得」「戦後教育が悪かった」と述べるなど、突出発言を繰り返した。夜になって「誤解を招く表現だった」としていずれも撤回したが、関係者の批判を招きそうだ。

 中山国交相は、所管する成田空港の整備についての質問に「かつて1車線(滑走路1本)がずうっと続いて日本は情けないなあと(思った)。ごね得というか、戦後教育が悪かった」「公のためにはある程度は自分を犠牲にしてでもというのがなくて、なかなか空港拡張もできなかった」と答えた。

 国交省の無駄遣いをめぐるやりとりの中では、「ついでに言えば、大分県の教育委員会の体たらくなんて、日教組ですよ。日教組の子供なんて成績が悪くても先生になるのですよ。だから大分県の学力は低いんだよ」と述べた。自らが文科相だった時に全国学力テストを提唱した理由について「日教組の強いところは学力が低いのではないかと思ったから。現にそうだよ」と続けた。

 さらに、観光行政の課題に関する問いに「日本は『単一民族』といいますか、世界とのあれがないものですから、内向きになりがち」と答えた。【位川一郎】


一つ目。「公のためにはある程度は自分を犠牲にしてでもというのがなくて、なかなか空港拡張もできなかった」
さて、首相を2代続けて選挙もせずに辞任した自民党の大臣から「公」というものを説教されるとは思いませんでした。大臣の理屈でいえば(かなり厭味が入っていて屁理屈になりますけど)、「戦後民主主義教育があったからこそみんな自分が大事で、首相を2代続けて辞任してもみんなが「自分が大事だからねと認めてくれて騒ぎださない」ので、大臣になれた」のですから。大臣になれたのは戦後民主主義教育のおかげなのに。

二つ目。「日教組の強いところは学力が低いのではないかと思ったから。現にそうだよ」
相関があるということと、原因・結果の関係にあるということは違うことなので、学力テストの結果で日教組の強さ(しかし、そのようなものをどのように定義するか、という問題はある)と学力テストの点数に負の相関があったとしても、それが原因・結果の関係にあるかは違うことです。
これは重要な点で、大臣になって政策にかかわるときにデータを官僚から示されてそれについて批判的に考えることができるかどうか、という能力、つまり官僚の言うままにならない能力(自分で考える能力)があるかという点につながってきます。日教組云々はイデオロギー的な問題もありますので、思っていることを放言するということは止めませんが、政策にかかわるものである以上、ここは冷静な議論が必要となります。自分が想定していたとおりのデータであったので原因も前から思っていたとおりのことだ、というのは人間がだれしも持つ傾向ですが、それで政策決定されてはたまりません。例えば、日教組の弱いところは実は塾通いが多くて、ということであれば、学力テストの結果がよいことは塾通いの多さとも相関するわけです。その場合、実は日教組がどうのこうのなんて問題ではなくて、学力テストの点数のためには日教組の強さ云々とは関係なく、どの地域でも学校での授業を充実させる(補修を増やすなど)とか、いっそ義務教育を塾に任せてしまうとか、判断が変わってくるわけです。それに応じて予算を使うべきでしょう。
たとえ自分の考えやイデオロギーと合致するデータが出たとしても、それを冷静に考える能力がなければ官僚の言うとおりにしか動けない大臣になる可能性が高いのではないでしょうか。
そういう人が文部科学大臣(文教族)だったから、ゆとり教育だのなんだの、日本の教育が駄目になったんだ(これは相関と原因・結果を無視したいけない発言ですから信用しないように。でも説得力はあるでしょう。)。
書いてる途中で朝日の記事がありました。
「日教組強いと学力低い」中山説、調べてみれば相関なし
http://www.asahi.com/politics/update/0927/TKY200809260383.html
2008年9月27日3時1分
 「日教組(日本教職員組合)の強いところは学力が低いんじゃないか」――文部科学相時代に全国学力調査を提案した中山国土交通相が、テストで何を調べたかったかについて、こんな「本音」を明かした。「現にそうだよ。調べてごらん」。しかし、データをたどってみると、成績トップの秋田の日教組の小中学校組織率が5割超で全国平均(34.1%)を大きく超えるなど、全体的な相関関係はうかがえない。現場の先生も「短絡的」とあきれ顔だ。
どうにもなりませんな。(日教組の強さをどう測るかが問題ですが)

三つ目。「日本は『単一民族』といいますか、世界とのあれがないものですから、内向きになりがち」
単一民族発言は今までいろんな人が発言してそのつど謝罪したりなんなりしてきたので、今時そんなことを言う政治家が居たの?とある意味驚き。しかし、今回問題にしたいのは単一民族ではなくて、観光行政への質問なのだから政策を答えて欲しかったのに全然ちぐはぐな回答をした点。国交省担当の政策の話を聞いたのだから、国交省としてどうするかを答えるのが大臣の役目なのに、それができずにどうする。

二つ目、三つ目を考えると、この人には国土交通省大臣を務める能力は現時点では無いのかな、と思いました。

政治家に期待することは良い政治というような抽象的な話はしないで、政治家は具体的にどのような能力を持つべきなのか、と問われれば、データをきちんと判断できること、というのは一つあげてよいのではないでしょうか。今回の話でいえば、学力テストの結果と日教組の強さの関係。予算配分に影響する重要なデータは、その解釈能力が無い人間に使わせてはいけません。

中山氏は東大法学部卒業とのこと。それでもデータをうまく読めないらしいということは、大学・学部を問わず大学のコアカリユラムとして統計学をかなりしっかり組み込まないといけないのかもしれません。

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