三余亭

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zoom RSS プラセボ効果が生じる理由

<<   作成日時 : 2010/08/25 05:20   >>

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ホメオパシーが日本学術会議で批判されました。
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-d8.pdf
おっしゃる通りです。大変よいことだと思います。科学者の社会に対する責任という観点から見ても、最上級の評価をしたいと思います。
助産師のみならず、医師の一部にもホメオパシーを使っている方が居ますが、大変に残念なことだと思います。

さて、別冊日経サイエンス170「こころと脳のサイエンス 01号」に「プラセボ効果が生じる理由」という記事がありました。大変興味深い記事でした。著者はスイス連邦工科大学チューリヒ校のMaj-Britt Niemi先生。ご自分でも関連する実験をされているようです。

患者が医師に注射を打ってもらって具合がよくなった経験があり、それらを関連づけている場合には、注射器を持つ医師を見ただけで、プラセボ反応が生じうる。そうした場合の効果(改善や回復)は、治療薬の薬理作用と、無意識の反応あるいは条件付け反応の組み合わせから生じている。(p43)
条件付けによるプラセボ効果はラットでも見られるそうです。免疫抑制薬のシクロスポリンとサッカリンを一緒に飲ませたラットは、その後サッカリンだけを飲まされても免疫反応が弱まったとのこと。ラットは偽薬に効果があると信じることはないですから「よい結果を期待したり信じたりしなくてもプラセボ効果が生じうることを示している。(p44)」
条件づけによるプラセボ効果には脳の島皮質、返答隊扁桃体、視床下部腹部内側核が関係しているとのことです。

効くのだと信じることがプラセボ効果を高めることがあることも記事で解説されています(ただし、それらは痛みなどの近く可能な症状が主であり、不随意の身体反応にはあまり効果がないそうです)。これも面白い。fMRIだと思うのですが、それを用いてプラセボ鎮痛薬を投与した患者さんの脳の活動を調べると、「痛覚に関連する5つの脳領域の神経活動もかなり低下することがわかった。(p48)」

条件づけにしても効果を期待するにしても、プラセボ効果の説明には脳が必須のようです。

ホメオパシーが標準医療以上の効果を上げることはできませんが、プラセボ効果を通じて症状の改善を患者さんに自覚させることはできそうです。しかしそれは現在の標準治療とされているものを上回る効果はありません。標準医学ではプラセボ以上の効果を上げることを示した研究がいくつもあります。白衣で条件づけができるのであれば、なおのことホメオパシーなんてやっていない普通の病院へ。

困った人につけ込む怪しい商売はまだたくさんあります。今回の学術会議からの声明がそのような商売に対する厳しい目につながるようになればよいと、心から思います。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
 お久しぶりです。覗いては見るものですね。
 昨日の朝日新聞の声欄に、ホメオパシーを信じる気はないけど薬はいやって、おかあさんの投書がありました。200年の歴史があろうと、ダメなものはダメなわけでどうしたものがと思っていたのですが、ラットにまでプラセボ効果があるとは考えもしませんでした。
 医学が科学になるには、まだまだ時間がかかりそうですね。神は偉大なり、です。
YCAT
2010/09/17 01:04
コメントありがとうございます。お久しぶりです。
自分も日経サイエンスのこの記事を読んでびっくりしました。
自然の不思議さの前に、自分の分かっていることのちっぽけさを思い知らされます。
三余亭
2010/09/23 00:02

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