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zoom RSS 病気腎移植に対する専門委員の統一見解

<<   作成日時 : 2007/03/15 19:20   >>

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病気腎移植を検討した専門委員の報告書が公開されたとのことです。

朝日新聞では、
病気腎の摘出「全症例で不要」 外部専門委の報告公表
2007年03月15日13時54分

 宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠・泌尿器科部長(66)らによる「病気腎」移植問題で、同病院で実施された11件について医学的に検討してきた外部の専門委員5人の報告書が15日、報道陣に公表された。「全症例で摘出の必要なし」「積極的治療をしない摘出は医師の裁量権の逸脱」などと、いずれも厳しい内容となっている。病気腎移植の医学的評価の詳細が明らかにされたのは今回初めて。(以下略)


毎日新聞では、
病気腎移植:「11件中9件不適切」専門委が統一見解

 愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院が15日、同病院の万波誠医師(66)らによる病気腎移植について、専門委員4人の統一見解を明らかにした。統一見解は「(摘出は)11件中9件は不適切で、残る2件も不適切か疑問」とし、専門委の個別の報告書でも、事例によっては「医師の裁量権を逸脱」と厳しく指摘する内容。一方、この日は、専門委の上部組織で、「摘出は適切、または容認できる」と対照的な内容をまとめた調査委の協議内容についても、文書とビデオ映像で公開した。

(中略)

一方、明らかにされた調査委のやり取りでは、「すべての患者が最高の医療を受けられるわけではない」「(摘出は)最終的に本人が決めた」などと、万波医師に好意的な内容がほとんどだった。【津久井達、加藤小夜、野田武】

毎日新聞 2007年3月15日 14時06分 (最終更新時間 3月15日 14時15分)


総合すると、専門委の統一見解としては、毎日新聞にあるように、「(摘出は)11件中9件は不適切で、残る2件も不適切か疑問」。それぞれの委員の見解として、朝日新聞にあるように、内1名が「全症例で摘出の必要なし」、ということなのでしょう。見出しだけ読むと、何か別のことを報道しているような気がしましたが。

注目したいのは、朝日新聞の個別の委員の見解として紹介されている移植医と泌尿器科医の見解で、
(移植医は)摘出手術の際、生体腎移植の手術に特有の薬剤が使われていたことなどに触れて、「本来の治療に関心がないのが明らか」と指摘し、手術そのものが移植を前提としていた可能性を示唆。
(中略)
(泌尿器科医は)「完全に治す治療法を探った記載が全くなく、当初から移植目的だった」などとし、11件について腎臓摘出の必要なし、と結論づけた。
という見解です。

これを読みますと、ドナーはきちんとした医療を受けていなかった可能性は高いと思われ、前にも書いたような
ドナーとレシピエントの主治医が同じ場合、このようにドナーの治療をきちんとしたかどうかという疑問が生じると思います。
という懸念は、残念ながらあたったように思います。

ただ、毎日新聞にあるように「摘出は最終的に本人が決めた」というところが少しひっかかります。標準治療と標準治療から外れた治療の利益・不利益をきちんと説明されていたなら(カルテに記載されているべきなのですが)、摘出したことは医療としてはありと考えるか、それとも、そもそも摘出は医療として成り立たないから説明したとしても駄目と考えるか(例えば、効かない薬を薦めるのと一緒と考えるか)、個別の症例の標準治療と摘出との”離れ具合”によって判断するしかないのでしょう。このあたりは専門家でなければわかりませんし、専門家の間でも意見が分かれるかもしれません。

泌尿器科医の「完全に治す治療法を探った記載が全くなく」という見解を読んでの感想を少し。私の乏しい経験では、ちょっと変わった医療を行う時には、後でそれが問題にならないように、この患者さんはこういう理由で標準治療ができないので、少し変わってるけどこの治療を行うとカルテに書くようにしています。説明した内容も、同意が得られたことも書きます。そうしないと、後で万が一訴訟になったときに、かなり不利なので。万波医師のようなベテランの医師には受け入れがたい、今風のドライな考え方なのかもしれませんが。しかし、今回の一連の病気腎移植も、病気腎の摘出が少し変わった治療なのですから、十分説明したとしてそれを書いておかなかったのは、若い世代からすると腋が甘いと言わざるを得ません。訴訟対策は重要だ、という実感があります。自分は訴訟騒ぎにあったことは無いのですが。

なお、宇和島特洲会病院のHPを見ても、このエントリーを書いているときには報告書は見つからないので残念です。報道されているものを読んでも、今ひとつ正確でない可能性もあるので、是非、本物も読んでみたいと思いました。

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