三余亭

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zoom RSS Sickoに関連したNEJMの記事紹介と医療費不払い

<<   作成日時 : 2007/09/08 00:08   >>

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マイケル・ムーアのSickoを観たかったのだけれど、観に行くことができませんでした。残念です。そのSickoがNew England Journal of Medicineで触れられていました。 Healing Our Sicko Health Care Systemという記事です。一部引用します。

It is certainly true that Sicko is not a careful accounting of the pros and cons of the U.S. insurance system. But the basic truth of Moore's indictment is undeniable. A recent survey by Consumer Reports found that nearly half of adults younger than 65 ― most of them insured ― say they are "somewhat" or "completely" unprepared to cope with a costly medical emergency in the coming year. A substantial share of the more than 1 million personal bankruptcies in the United States each year ― perhaps as many as half ― are due in part to medical costs and crises. In no other rich country are people even remotely as likely to report having trouble with paying medical bills or going without care because of the cost. These problems are long-standing ― yes, "dating back to the 1980s" ― and worsening.
強調したところだけ意訳すると、「アメリカ合衆国での100万人の個人破産の半分くらいは医療費のせいで破産している。他の豊かな国では医療費の支払いに困ったり、医療費が払えなくて医療を受けられないということはこれっぽちもありそうにない。」というところでしょうか。

同じ号で、 Election 2008 ― Campaign Contributions, Lobbying, and the U.S. Health Sectorという記事もあります。それでは、ロビー活動の結果、
There are no assurances that the election of a new president will lead to major changes, although the potential for reform seems greater than it has for many years. 
と書かれています。「何年もの間以上に保険のシステムの変革が潜在的に望まれていても、新大統領を選出することが大きな変化に繋がる保障はない。」との意訳になるでしょうか。

日本の国民皆保険と病院へのフリーアクセスに問題がないとはいいません。タバコを吸う人も吸わない人も保険料が一緒だったり、大病院にいきなり受診したりというのは、不公平や無駄が多いとは思います。しかし、米国型のシステムよりは、費用を気にせずに医療機関を受診できるという点で、ましだと思います。

ただ、日本の現状にも問題が無いわけではなくて、医療費の不払いで病院が赤字になるのは困ったものです。払えない人の受診は拒否、ということになれば医療機関の赤字は減りますので、そのような方の受診拒否を認めるかどうか。認めなければ病院が無くなる、認めれば病人が増えるという、どちらを選んでも困るような選択肢しか残されない状態になる前になんとかしないとならないわけです。答えは持っていないんですけど。

治療費不払い85億円 290公立病院3年間
 都道府県や県庁所在市など自治体が経営する全国290の病院で、患者が支払わない治療費(未収金)が2002年度からの3年間で85億円を超え、1病院平均で約2940万円になることが読売新聞の調べでわかった。

 低所得者の増加や、医療制度改革に伴う自己負担の拡大などが背景にあるとみられる。290の公立病院の大半を含み、国内の6割以上の公立、民間の医療機関でつくる「四病院団体協議会」(四病協)は、加盟5570病院の未収金総額は、02年度以降の3年間で853億円を超えると推計。来春にもまず、国民健康保険の保険者である市町村に対し、未収金の肩代わりを請求することを検討している。

 47都道府県と政令市、県庁所在市の病院を対象に調査。1年以上未払いの「過年度未収金」について、02〜04年度の年度ごとの額と対策などを質問し、85自治体から回答を得た。

 都道府県立223病院の未収総額は58億9264万円で、平均2642万円。都道府県別平均で最も多いのは沖縄(病院数7)の7664万円、次いで石川(同2)、青森(同2)の7300万円。1000万円未満は6道県で、熊本(同1)だけが未収金ゼロだった。

 県庁所在市と政令市が経営する67病院は平均3923万円で、1億円を超える病院もあった。うち政令市立37病院は平均4116万円で、1000万円未満はさいたま、福岡両市だけ。大都市の病院ほど多くの未収金を抱えていた。

 未収金増加の原因として大半の自治体は、〈1〉所得格差の拡大による生活困窮層の増加〈2〉医療費の自己負担増――などを挙げ、「治療費が債務だという意識の欠如」(山梨県)、「患者のモラル低下」(福岡市)などの指摘もあった。病院側は連帯保証人制や自宅訪問などの対策を講じているが、督促に応じない患者や、他人を装って治療費の支払いを免れる悪質な例も目立っているという。

 未収金増加は病院経営を圧迫しつつあり、四病協は「保険者が医療機関の請求に基づき患者から徴収できる」とした国民健康保険法などの規定を根拠に、未払い患者の加入する国保の保険者(市町村)に対し、加盟病院が歩調を合わせ、未収分を代わりに支払うよう求めることを検討している。

 これに対し、厚生労働省保険課は「法は、保険者が患者から徴収することを可能としているのであって、未払い分を肩代わりする義務を課していない」と否定的な見解を示している。

 医療費の自己負担 サラリーマン本人と3歳以上の家族は2割負担(家族の外来診療は3割)だったが、2003年4月から一律3割に引き上げられた。70歳以上の高齢者は原則1割で、一定所得があれば3割。3歳未満は2割だが、0歳児などは多くの自治体が少子化対策として患者分を負担している。生活保護世帯では医療費は全額、医療扶助で支出される。
(以下略)
(2006年12月26日 読売新聞)

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