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zoom RSS 【量子力学の哲学 非実在性・非局所性・粒子と波の二重性 森田邦久著 講談社現代新書】

<<   作成日時 : 2012/02/13 23:42   >>

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仕事が忙しくて時間の無いときに限ってこういう本を読みたくなります。書店で見つけると貯まらなく欲しくなってしまいます。読む時間がないのはよく分かっていますが、今買わないと手に入らないかと思うと買わずにはいられません。昨年、衝動買いした本です。

「本書の目的は、量子力学が私たちに示す世界像についてこれまで提案されてきた様々な哲学的議論を解説することである。(p5)」
量子力学については大学の教養で物理化学で少し学んだくらいの知識しか無いのですが、ちょっと興味はありました。粒子であり波であり、ということを理解できれば素晴らしい、と思っていました。

今まで読んだこの手の本としては「量子力学が語る世界像 和田純夫著 ブルーバックス」があるのですが、、今引っ張り出して眺めてもこちらは最後まで読み切ったかどうか記憶が定かではありません。多分、途中で投げ出したのではないかと思います。

「量子力学の哲学」は最後まで読みました。理解が十分かどうかはさておいて、著者がこの本で伝えたいと思っているであろうことは分かった気がします。どういうことが議論の対象となり異なる立場を生み出すもととなっているのかを最初の方で解説してくれているのが助かりました。今解説されている解釈がどういう見解に基づいているのかが分かりますから、文字を追いかけていても進んでいる方向を見失っていない実感がありました。付箋にメモを書きながら読んだのもよかったのかもしれません。

議論の対象となるのは、
1.測定前の物理量は確定した値を持つか(実在するか)
2.非局所相関はあるのか(空間的に遠く離れたものどうしが一瞬で影響を与えあうのか)
3.射影公理をどう扱うか(状態の収縮をどう扱うのか)
4.粒子と波の二重性をどう考えるか
(p68-69)
これらに対してどういう見解を持つかで様々な解釈が成立するというのが最初の方で分かりますし、解説する前に上の4点についてどう考えている立場の解説かが分かるように書かれていますので、読んでいて非常についていきやすかったです。

一番腑に落ちたのは、著者の理解するボーアの相補性の解説。75ページにあるのですが、円筒を観察する二次元人は円筒をある方向から見れば円としか観察できず、ある方向からは長方形としか観察できないのと同じように、我々は「古典的にしか物事をとらえることができない。(p76)」。この比喩を読んで、自分の感じる量子力学の理解しにくさに納得できた気がします。そもそも古典物理を理解するのとは訳が違うのだと。

著者一押しの「時間対称化された解釈」は未来が原因となって過去が決まるという、相当に常識に反する解釈なのだけれど、我々の世界とは違うのだと思えば、研究の結果によってはこういう解釈が標準とされる日が来るのかもしれないと思えてきます。

わかりやすいとはいっても、量子力学を少し知っていないとついていくのは大変だろうと思いますが、今まで他の本で挫折した人にはお勧めかもしれません。

大変面白く読ませて頂きました。

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